こう決意すれば、
こう決意すれば、怖いものはない。
  
 
 ところが、ついこれを忘れがちなので、だえず思い悩むことになる。
  
人生とは何か、いくら思い悩んでも、解答は年齢によっても性格によっても異なるから、結局何の役にも立たないのだが。
  
ただ、病気とか、失敗だとかは、生きている以上避けられないし、そのときに挫折感を抱くのは仕方がない。
  
そのほうが人間らしいとも言える。
  
しかし、その場合でも勇気が必要なことは言うまでもないだろう。
  
いつまでも挫折感に浸っていれば、誰にも相手にされない厄介者になるだけのことだ。
  
挫折した人にたいして同情の念を抱くのも人として自然なことだが、こちらから同情を求めたりするのは、ばかげている。
  
だが、現実には人間はそれほど強くはないし、悲しみの涙も甘い。
  
だから、ついその誘惑にかかってしまう。
  
それでも、自立心のない人間にいつまでもつきあっていられるほど暇な他人は、そうたくさんいるものではない。
  
仮にいたとしても、そういう人は当人が尊敬されていない場合が多く、そんな人とつきあっていたら、やがては自分も決定的に自尊心を失ってしまうだろう。
  
あとは、ひがんで暮らすだけの一生が待っている。
  
失意のときには、手おくれにならないうちに休養するのがいい。
  
食べたいものをたっぷり食べ、たっぷり眠って、体力が戻ってきたときには、いつのまにかまた何かをしたくなってくる。
  
旅行をするのもいい。この療法は昔から知られていて、旅の中でさまざまの人生に触れた結果、立ち直った話ならいくらでもある。
  
それでもだめな人 ――――――― いくら眠っても、旅をしても、いっこうに何もしたくならない人、そういう人はどうすればいいかって?
  
そういう人はいずれ腹が減ってきて、寝てはいられなくなるでしょう。
梅里


