自分の人生や職業に

自分の人生や職業に満足して、幸福だと思っている人は意外に少ない。
 

 

 

他人の人生のほうが楽だと思ったり、収入も多く恵まれていると思って、ひそかに妬んだり始んだりしていることが、多いものである。
 

 

 

学生時代にしても、同じことだろう。
 

 

 

友人のほうが家庭的にも恵まれていれば、才能も自分より豊かだと思って落ちこんだりするのは、秀才と見られる人にもよくあることだ。
 

 

 

そういう経験のない人のほうがむしろ稀で、社会に出てから正直に話し合う機会があってみると、学生時代にはおたがいに羨んでいたことがはじめてわかって、驚いたり、笑ったりということは珍しくない。
 

 

 

当時はただの印象から相手を怖がって敬遠していたのに、社会人になってからは、すっかり親しくなったなどという場合がある。
 

 

 

これを裏返して考えれば、自分に欲や野心、あるいは希望があるかぎり、とかく他人の人生がよく見えるのは避けられないのだ。
 

 

 

あきらめたような、自棄のようなことを言っている人も、欲を棄てきれないからこそ愚痴が出るので、ほんとうにあきらめているのではない。
 

 

 

それに気がつかずに不用意なことを言って、恨みを買ったりすることがある。
 

 

 

そうなると、不満や恨み妬みの気持ちがあるのは、まだ人生の現役だという証拠みたいなものだと、考えることもできる。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

梅里

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